つげ義春の漫画「無能の人」の主人公に喝

こんにちは。

夢見る少女(もとい中年)じゃいられないTATeNoです。

私が、つげ義春先生の“無能の人”を初めて読んだのは、単行本が発売された平成2年ですから、1990年ですね。あれから、もう28年たちます。

初読の時には、特に何も思うことはありませんでしたが、今回読み返したことで、新たな心情がわいてきました。

それは、この作品の主人公に対して『説教したい』という、妙な気持ちです(笑)。

張本勲氏ではありませんが、「喝!」と言いたくて言いたくて仕方ありません。

そこで、今回の記事は、主人公の男性に語りかける形式でお送りします。

 

つげ義春の漫画「無能の人」の主人公に喝

どうもはじめまして。

えーと、お名前は助川さんでしたよね。

ちょっとよろしいですか?

お仕事の件ですけど、これまでに、マンガ業、中古カメラ業、古物業と、いろいろ手を出されて、ことごとく目論見が外れたんでしたよね。

ふんふん、なるほど。
それは大変でしたね。

ただ…思うんですけど、だからと言って、いくらなんでも“河原の石を売る石屋”にならなくてもいいじゃないですか?

仕事なんて、他にいくらでもあるというのに、なんであえてわざわざそういうものを選ばれたんですか?

実際、マンガを描くことをおやめになった時、奥様に言われてますよね。

「私恐いわ。あなたの性格って、自分で自分をダメなほうへ追い込んでゆくんだもの」って。

しかもですよ。

石に関しての知識があるっていうならまだしも、素人同然っていうんだから、そりゃあ、お話になりませんよ。

まあ、少しは本を読んで勉強されたみたいですけど。

それにしても、河原の石を売る仕事なんてね。

同じ石でも、ホルミシス効果がある鉱石とか、パワーストーンとかなら一定の需要も市場もありますけど、河原に落ちてるただの石ですよね?

いや、観賞用の石なのは分かりますよ。
でも、そういうのってなかなか見つからないんじゃないですか?

え?なかなか見つからないから価値がある?
それは分かりますけど。

そもそも、どうしてこういうお仕事をやろうと思われたんですか?
川に行けば、いくらでも落ちてるから元手がかからないから始めた?

「喝!」(※小さい声で)

…あ、いえ、何でもないです。

元手がかからないって、ちょっと、待ってくださいよ。

それだけの石を集めるのに、二年というご自身の貴重な時間を現実に使ってるじゃないですか。

アナタが二年間、石を拾い集めている間に、他に商売をやっていれば得られたであろう金額を考えたら、その機会損失分が元手に該当するとは思わないんですか?

そんなことも分からないなんてね。

それにしても、その間はどうやって食べてたんですか?
え?奥様に団地のビラ配りの仕事をさせてた?

「喝!」(※小さい声で)

まったくアナタって人は…。
こりゃあ、もう奥様には頭が上がりませんね。

なに?だから毎日足をもんでる?
いや、そういう問題じゃないですよ。

足をもまなくてもいいようにするのが、アナタの役割なんじゃないですか?

それに、どうせもむなら、いっそ、マッサージ店でも開業したらどうですか?
その方が、同じもむにしても、その労力をマネタイズできるじゃないですか。

え?マネタイズって、何かって?
収益化ですよ。

え?マッサージ店をやるにしても開業資金がない?
だから、石屋も河原で開業したと?

そこなんですよ、私が言いたいのは。

町なかに店舗を構える資金がなかったからと言ってですよ、よりによって河原で開業してどうするんですか?

物を売る場合、時間と空間のどちらかをズラすのは、商売のセオリーですよ。

たとえば、野菜であれば、出荷時期を早めたり遅めたりして、他の業者と時間を意図的にズラすことで高い収益を上げるなんてことも出来るワケですよ。

だけど、石なんて年中拾えるワケですし、だったら、空間をズラすしかないワケですよね?

なのに、河原で拾った石を、その同じ河原で売るなんて。
せめて、別の川にしませんか?

ホント、ブッ飛んでますよね、発想が。もちろん悪い意味でね。

しかも、「盗む奴なんて誰もいないよ」なんて言って、商品の石をそのままにして、毎日帰宅してるんですよね。

そんなもん、誰がお金を出してまでして買うんですか?

あと、石が売れないからって、「いま最もナウイストーンハンティング」なんていう、看板出してますよね?

ナウイて(笑)。

ちなみに、それはどうやってお金を頂くんですか?

石拾いする時には、あなたにお金を払わないといけない道理なんてありませんよね?

そもそも開業届けだって出してないんでしょ?

で、話は変わりますけど、現在の夢は、川に渡し場(簡易的な橋のようなもの)を作って、一人から50円取ることなんですか?

一度作ってしまえば、何もしなくてもずっと通行料がもらえるから収入が安定する?
あのですね、不労所得とか言ってる場合じゃないですよ。

一回、川から離れませんか?

しかも、渡し場を造るのを業者に頼んだら、100万円くらいかかるから、自分で作ろうとお考えになられてるんでしたよね?

地上でも難しいのに、ましてや水流が激しい中で、ただの素人が一人で造れるワケないでしょーが。

アナタの発想って、貧すれば鈍するの典型ですよ。
しかも、奥様から、「川越し人足の方がお似合い」とまで言われて。

川越し人足 – Google 画像検索

アナタもアナタですよ。貸しボート屋のボートが転覆したのをきっかけに、ホントに始めてしまうんですからね。

腰まで水に浸かりながら、岸から岸まで、人を担いで運んで、一回100円でしたっけ?
それだけのガッツがあるなら、もっと稼げる肉体労働なんていくらでもありますよ。

そういえば、夜、アナタが一日の稼ぎを数えている時に、長男さんが迎えに来らたことがありましたよね。

あの時、長男さんの口から、「母ちゃんが、父ちゃんは虫けらだって言ってた」みたいなことを聞かされたクダリ。

あれは…切なかったなあ。

でも、ムリもないですよ。

全人類の髪の毛を集めて、それを有効に活かす方法はないかを真剣に夢想しながら、その日に備えて、切った髪の毛をゴミ袋に入れて押し入れに保管してあるんでしたよね。

そりゃあ、奥様もあきれ果てますって。

あとですね、私が一番イイタイコトを言ってもいいですか?

いや、ダメと言われても言いますけどね。

“美石狂会”っていう名前のオークションの広告を見て、盛り上がるのはいいんですけどね、どうしてそこで『ちょっと待てよ?』って思わないんですか?

そんなの参加しなくても、どういう内容の会か分かりそうなもんじゃないですか?

名前だって、怪しいことこの上ないと思いませんか?
協会の協の字が、狂う方の狂会ですよ。

しかも、愛石交流をコンセプトに掲げてますけど、だいたいそういうのは、主催者が儲ける為に場を設けてるものなんですよ。

実際、参加者の顔ぶれは、全員が『自分の石を売りたい!』ってだけのうらぶれた連中ばかりだったじゃないですか。

売りたい人だけが集まって、買いたい人が存在しないワケですよ。

しかも、オークションなのに、誰も買う人がいないから、値段は底値からさらに安くしていく始末でしょ。

値下げするって、セリじゃないんですから(笑)。

挙げ句の果てに、「多摩川なんていつでも拾いに行けるから魅力ない」とか、みんなから散々な言われようで。

多摩川 上流 – Google 画像検索

悔しくないんですか?

でも、コレって…アレですよね。

自分の商品を売りつけたいだけの連中が集まってる場ってところが、異業種交流会と似てますね。

人脈をセールスの相手としか思ってない『相手の名刺をゲットしたい!』、『自分の名刺をバラまきたい!』だけの連中が集まる異業種交流会。

結局、みんながみんな、自分のビジネスに引き込んだり、自分の商品を買ってもらいたいっていう貧乏根性の集まりだから、名刺だけはやたらと集まるけど、ちっとも商売に結び付かないっていう。

もちろん、全ての異業種交流会がそうだとは言いませんけどね。

で、話は戻りますけど、結果、オークションに出展した石は一個も売れず、会費1000円×3人分(自分、奥様、息子さん)と場所代1万円の損失でしょ。

しかも、石を詰めたダンボール二個分の往復分送料でプラス1万円。
計2万3千円の大損。

あーあと3人分の交通費もかかってますよね。往復で。

「喝!」(※小さい声で)

何やってんですか?本当に。

今、アナタが売ろうとしている商品の石を全部売っても、10万円にならないってのに。

お金の使い方、完全に間違ってますよ。

え?なんですか?
これから、自分はどうしたらいいかって?

そうですね…まあ、今ならインターネットがありますから、まずは、さしあたりブログでも始めてみたらどうですか?

さすがにブログはわかりますよね?

そこで、まずは、面白い記事を書いてですね。ある程度、訪問者が集まるようになったら、そこで商品の石を紹介してみたりとか…。

いや…でも、さすがに河原の石は売れんかな…。
それならそれで、パワーストーンのアフィリエイト広告を貼るとか…。

え?面白い記事は何を書けばいいかって?

まあ、アナタの今の日常をそのまま書けばそれだけでも、かなり面白いものになるんじゃないですかね。アナタの存在とか行動自体がかなりユニークですから。

ああ、でも、こう言ってはなんですが、文章もあまりお得意ではなさそうですね?その通り?

そんな頭かいて、苦笑いしてる場合じゃないですよ、ホントに。

あ、ところでパソコンは持ってますか?
持ってない?

じゃあ、当然インターネットも?
そんなものはない?

漫画喫茶とかでやったことは?
やったことがない?

さて、これはどうしたものか…。

まずは、奥様と力を合わせてパソコンを買うことから始めてください。別に激安の中古品でもいいので。

そして、とにかくネット環境を構築することですよ。
そうすれば、商圏は全国ですから。

インターネットの世界は、分母がケタ外れに大きいので、なかには、アナタの商品に興味を持つ、モノ好きな方もいるでしょう。

いや…でも、やっぱ、さすがに河原の石は…。

ああ、そうか、だから、石を売ることにこだわらなくてもいいですよね。
それこそ、出張マッサージとか、何かの代行業をやるとか色々ありますね。

え?難しそうって?

「喝!」(※小さい声で)

水流が激しい大きな川に、一人で渡し場を造るより、よほどカンタンですよ。

ともかく、ゴチャゴチャ言わずに、まずはブログで30個記事を書いてください。
“風来の案内人”の記事は、まだ数個ですが…笑)

全てはそこからですよ。

訪問者…アクセスって言うんですけど、アクセスが集まりさえすれば、いかようにも展開できますから。

それこそ、単に石を売るのではなく、あなたが自身が愛石交流会的なマッチングサイトを運営してもいいワケですよ。

石を売りたい業者さんと、石を買いたい愛好家との間に入って、売買を仲介して。

え?面白そうって?
そうそう、その調子ですよ。

ハッキリ言いますけど、あなたは本当は無能ではない。
実は有能で多才な人なんですよ。

顔だって、どことなく知的な雰囲気をお持ちですし。

どういう人生観か分かりませんけど、あえて現在のようなライフスタイルを選ばれてるんですよね。

今日は、色々と失礼なことも申し上げましたが、お許しください。

それでは、頑張ってください。健闘を祈ります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.